【映画レビュー】スマホを落としただけなのに
こんばんは。うみほたるです。
本日は『スマホを落としただけなのに』の映画レビューです。
小説が原作ですが、僕は漫画版でこの話を知りました。タイトルで何となく「スマホを落としただけなのに(大変なことになった)」というくらいのことは読み取れますよね。
"スマホ"というワードがかなり現代的ですね。この時代にしか成立しない面白い設定のホラー映画という感じです。
本日の目次
あらすじ
平凡などこか抜けてるサラリーマン・富田はある日スマホをタクシーに置き忘れてしまう。富田の彼女・麻美は富田に電話を掛けたことで彼がスマホを落としたことを知り、拾った人からスマホを返してもらう。
ところが直後から彼女の周りではSNSを中心としておかしなことが起こり始める。実はスマホを拾った人物が彼のスマホのロックを破り、スマホ内の情報やSNSなどから人間関係、クレジットカードの情報、その他様々なものを盗んで悪用を始めていた。
一方、警察は山中で若い女性の遺体が多数発見されたのを受け、連続殺人事件とみて捜査を開始。被害者がみな若くて長い黒髪の地方出身者であることがわかる。犯人は被害者のスマホを使って地方に住む親などに連絡を取り、生存しているよう見せかけることで事件発覚を遅らせていた。
長い黒髪で家庭に問題を抱える麻美はこの連続殺人の犯人の新たなターゲットに選ばれるが…。
レビュー
超簡単に要約すると間抜けな男がスマホを落として、拾ったやつがすごくヤバイやつだったので男の彼女が怖い目に合うという話ですね。
本作ではスマホを拾ったヤバイやつがSNSを使って様々なことを特定していきますが、そんなに難しいことはしていないので現実でも僕らでもやろうと思えばできてしまうようなことばかりです。現代人がいかにSNSやスマホを始めとする通信機器に依存しているかということがよくわかる話です。
ちょっと話が逸れますが、都会に住んでいる人がちょっと田舎に旅行に行ったりする際に、電波が入らないだけでもう何もできない気分になることってありますよね。あるいはスマホがないと連絡が取れない人が途端に増えるというのもその一例だと思います。
僕はスマホを無くしたことはないですが、周りではちょいちょいそういう経験をしている人も見かけます。またSNSのアカウント乗っ取りなんかは実際に起こっていることなので、こういうヤバイ事件が起きてもおかしくない(というか実際に起きている?)と考えてしまいます。
漫画版はかなりグロテスクなのですが、映画版はそういうのが苦手な人でも問題ないレベルだったと思います。
犯人役を演じた某俳優さんの演技の幅に驚きました。正体が明らかになるシーンの豹変する演技はちょっと背筋が凍りました。
映画オリジナルの登場人物というのはいないのですが、立場やバックボーンが少し違っていたり、展開も原作(漫画版含む)通りではないので、原作を読んだ人でも「あれ?」と思うシーンがあり、楽しめる作品だと思います。
大オチ
この作品には本筋の連続殺人事件とは別に大オチと呼べるトリックが仕込まれているのですが、映画版では描写が省略されすぎていてあまり効果的なオチになっていなかったですね。その点が非常に残念でした。
原作小説は読んでいないのですが、たぶん漫画版と同じように十分な伏線が張られていたのだろうと思います。時間制限がある映画はある程度仕方ないかもしれませんが。
続編
この作品なんですが、なんと原作小説には続編が存在し、2020年2月21日公開予定のようです。
下記の公式サイトにあらすじが載っていますが、完全に続編という感じですね。ちょっと気になるので是非見てみようと思います。
ただ、思いっきり本作のネタバレが書いてあるので、本作を先に見たい人は見てからクリックすることをオススメします!
それでは次の記事で。
【映画レビュー】パージ
こんばんは。うみほたるです。
以前からちょっと気になっていた映画を観てみたので、今回はそちらの映画レビューをしていきたいと思います。
『パージ』です。Purgeというのは粛清、一掃という意味がある日常ではなかなか使わないちょっと難易度の高い単語ですね。
何やら恐ろし気なパッケージですね。一応ホラー映画に分類されるのだと思います。
本日の目次
あらすじ
舞台は経済が崩壊した後のアメリカ。犯罪抑制のため、1年に1度「パージ」と呼ばれる夜は、殺人を含むあらゆる犯罪が合法化され、警察、消防、医療の全てのサービスが停止する。
ジェームズ・サンディンはそんなパージにより、警備システムを売り込むことで富を得た男。周囲の人間は彼の家族に少なからぬ妬み・嫉みをもっていた。
パージの夜、彼は自社の警備システムで自宅を守り、1日を平和に終えることを望み、モニター室を離れてしまう。
一方、外ではパージの対象となったホームレスの黒人男性が助けを求めて叫ぶ。メカが趣味の息子は自作の遠隔操作ロボットでモニター室に侵入し、助けを求める黒人を中に招き入れてしまう。
娘の彼氏・ヘンリーは娘との交際を認めないジェームズを殺害する目的で侵入する。
さらには仮面を被った若者集団がホームレスの男性を引き渡すよう要求し、応じない場合は警備システムを突破し、侵入すると脅しをかける。
レビュー
Safe night(安全な夜を)とまるでGood night(おやすみ)のように言葉を交わす様子は若干狂気じみて見えました。
個人的にはパージが犯罪抑制につながるとは思えないし、ましてや失業率が改善したというのは一体どういうこと?と思いますね。
映画の冒頭で大人たちが不気味なくらいパージを受け入れているのは富裕層の多い地区だったからなのでしょうね。狩る側と狩られる側、守る術を持つものと持たざるものの違いが表現されていたのだと思います。
設定はバトル・ロワイアルに似ている?
本作の設定を見て、僕は『バトル・ロワイアル(バトロワ)』に似ていると感じました。バトロワを観たことがない人向けに簡単に説明すると、BR法という青少年の抱える教育上の問題(学級崩壊、不登校、いじめなど)を解決するために、強い大人を復権するべく毎年全国の中学校のうち1クラスを無作為に選出し、最後の1名になるまで殺し合いを強いる、かなり狂った法律が支配する世界の物語です。
バトロワ自体は結構深いメッセージ性を持つ映画なので、観たことがない人はオススメです。
トロッコ問題(?)苦渋の選択
パージで理不尽に狙われる黒人の男。若者集団は彼を生きたまま引き渡せばサンディン家には手を出さないと交渉してきます。
ジェームズにとっては黒人の男を引き渡せば家族を救える、しかし黒人の男は惨たらしく殺される。家族を取るか、良心を取るかという苦渋の決断を迫られます。
トロッコ問題に代表されるこういった命題は正しい答えなど誰も持ち合わせていませんが、ジェームズからすると男を引き渡しても、引き渡さず侵入されても男は死ぬのだから男を引き渡す選択が最適と考えます。
男は当然逃げ回り、抵抗しますが、最終的に男が「家族を救え、俺を外に」と発言したことでジェームズは我に返ることができました。
父親無双
正気に戻り、ホームレスの黒人を引き渡すことを考え直したジェームズは若者の集団と戦いますが、これが強い強い。基本複数で襲ってくる武装した若者たちを次々に返り討ちにしていきます。特にパージの最中なのにいちゃいちゃしながら襲ってくる男女を殺害したときは正直スカっとしました。
周辺住民の乱入
若者集団と死闘を繰り広げている時、周辺住民が密かに侵入してきます。
彼らは若者集団に襲われるサンディン家を助けますが、目的はやはりパージで、警備システムで設けた一家を自らの手で殺害することでした。
最初の伏線がようやく活きた場面ですが、もう一つの伏線がこの後回収されます。あまり全部話してしまってもつまらないと思うのでネタバレはこの辺にしておきましょう。
パージが実際に行われたら参加する?
パージにおいては、パージャーと呼ばれるパージに積極的に参加する人々がいます。具体的な数字は出てきませんが、映画の最後に出てくるのが州単位で公園に200人集まったとか報道があるので、仮に2000人くらい各州で参加しているとして、50州で10万人としてアメリカの人口の0.03%くらいかな?
日本でもそんなもんなのでしょうか?個人的には現代日本だと参加する人はもっと少ないのではないかと思いますが。
パージを絶対に受け入れない息子
本作では最初問題児っぽかった息子が実は一番まともだと思いました。経済が崩壊し、荒れ放題だった時代を知っている父母は「あの時代を知らないからだ」と息子を諭しますが、彼はついにその考えを受け入れず、黒人を引き渡すことに最後まで反対し続けました。
パージは戦争の寓意を含んでいる?
パージの本質は「犯罪(主に殺人)が合法化される」、「犯罪の抑制や経済活性化に寄与している(と信じている人がいる)」、「結局被害を受けるのは貧困層の人間」と僕は思いましたが、これってまんま戦争にも適用できるのではないでしょうか。
パージに対する考えが、大人と子供で違ったのも、戦争経験者と戦争を知らない世代との考えのギャップと考えるとしっくりきます(そうか?)。
以上、本日は『パージ』についてレビューしてみました。
理不尽な殺人ゲームを描いた少々悪趣味な作品ではありますが、世に蔓延る"単に殺人ゲームに巻き込まれる"映画たちとは少し一線を画す内容になっていると思います。
本作は続編も2作出ているみたいなので、観てみたいと思います。
それでは次の記事で。
【映画レビュー】脂肪の塊
こんばんは。うみほたるです。
今回は映画レビューやっていきたいと思います。作品はこちら↓↓↓
『脂肪の塊』です。
近所のレンタルビデオ店(複数店舗あります)にそれぞれ1本ずつしか在庫がなく、かつ、いつ行ってもレンタル中だったので非常に気になっていました。
この映画、天野友二朗さんという方の二作目の作品で、いわゆるクラウドファンディングのような形で資金を募って制作・配給された作品のようです。
監督の天野さんの経歴もなかなか面白いのでついでに最後に紹介したいと思います。
本日の目次
あらすじ
無精髭の男性・野村邦夫が女性を殺害するところから物語は始まる。
OLの沢村花子は毎晩悪夢を見ていた。その夢では青いバケツとそこからはみ出る真っ赤な血のようなもの。中身が何かはわからない。
仕事も手につかないほど衰弱した花子はレズビアンの恋人・伊藤ユキに相談を持ち掛ける。ユキは何かを悟ったように頷くが、花子に語ることはなかった。
一方、カトリック信者の男・根岸吾郎の部屋にはバラバラになった人間の死体が。彼は女性に対し、ストーカー行為を繰り返しており、部屋には花子と邦夫の写真が。
花子に送り付けられるDVD。その中には根岸が花子の寝ている部屋に侵入する様子が映し出されていた。
そして根岸に呼び出される花子は彼から失われた記憶の欠片と彼らの本当の関係を聞かされる。
レビュー
誰の視点で物語が進むかを明示しながら、場面が切り替わっていくのでその点は少し伊坂幸太郎っぽいなと思いました。群像劇ではないのですが、ラッシュライフなんかと同じような空気を感じます。
展開としてはそれほど意外性はなかったように思いますが、不思議と引き込まれる作品でした。
ちなみにかなり暴力的なシーン、グロテスク(特に内臓系)なシーン、全体的に陰鬱とした雰囲気があるので、苦手な方は注意した方がいいかと思います。
根岸が部屋に入ってきていることを花子が知るシーンなんかは結構背筋がぞっとしましたね。
複数のキ○ガイっぽい人が出てくるのは最近観た『ヒメノア~ル』と似てると思いました。
意味深なシーンが結構多かったので、僕が気づいていない伏線とかが散りばめられていそうで観直してみたい作品でもあります。
まだそこまで知名度がある作品ではないのか、この手の作品にありがちな伏線考察マンたちのブログもあまり見つかりませんでした(笑)
天野友二朗監督について
本作の監督である天野友二朗さんですが、かなり変わったバックグラウンドをお持ちなので、ちょっと紹介してみたいと思います。
1990年生まれで僕より若いです。この方なんと医学部出身で分子生物学を学びながら学生の時に自主制作映画を撮り始めたそうです。
ここまでは「ふむふむ。面白い経歴だな。」くらいなもんですよね。面白いのはここからです。
5歳の頃からバイオリンを習っていて、大学時代はオーケストラに所属していたそう。お金持ちだったんですかね?
絶対音感があるそうで、映画の劇中曲も自分で作っているとのこと。なんかすごくないですか?非常に多才ですね。
映画監督として目指すのは園子温監督や深田晃司監督とのこと。わかる。『脂肪の塊』にもそういう雰囲気出てましたね。
また、一緒に仕事をしたい俳優は山田孝之だそうです。これもわかる。
ロングインタビューがあったので興味があれば是非読んでみてください↓↓↓
レンタルビデオ店で偶然見つけた作品ですが、ちょっと今後注目していきたい監督ですね。
他の監督作品
『脂肪の塊』は二作目ですが、一作目の『自由を手にするその日まで』もなかなか面白そうです。トレーラーがYouTubeにありました↓↓↓
なんかまた暗くて怖そうな話ですが、ちょっと興味そそられますよね。今度探してみたいと思います。
また、三作目『幸福な囚人』が12月6日より公開とのこと。
これもちょっと気になります。
映画『幸福な囚人』 特報 (2019/12/6〜シネマート新宿・心斎橋公開決定)
ということで、今回は『脂肪の塊』とその監督である天野友二朗監督について書いてみました!!
『脂肪の塊』云々よりは監督として天野友二朗さんに少し興味が湧いたのが収穫でしたね。
それでは次の記事で。
2ヶ月が経ちました!(簡易映画レビュー付き)
こんにちは。うみほたるです。
このブログを始めて早2ヶ月が経過しました!!
2ヶ月間、何とかかんとか休まず毎日何かしらの記事をあげることができております。
また、9月28日には当面の目標であった1日1,000アクセスを達成しました!
翌日には1,674アクセスで記録を更新しました。最終的な9月のアクセス数も10,000を超えることができました。
大したことはないかもしれませんが、始めた頃の1日10アクセスくらいの日々から比べると随分成長したな~という感じです。
日ごろより下らない記事を読んでくれているみなさんのおかげです。ありがとうございます。
次の目標は当面は1日2,000アクセスを目指してみようかなと思っております。今後ともよろしくお願いします。
さて、9月8日までは1日せいぜい数十アクセスだったのが、9月9日の記事と9月10日の記事でアクセス数が爆増しました。
9月9日の記事↓↓↓
9月10日の記事↓↓↓
特に台風の方はまさかこんなに注目してもらえるとは思っていなかったので、正直かなり驚きましたね。
記事の内容は相変わらず映画レビュー、ポケモン、その他(育児関係など)でだいたい均等な感じですが、アクセス数には明らかにばらつきが出始めました。
今僕のブログを読んでくれている人は多くがポケモン関連で特に「最強実況者全力決定戦」に関する記事へのアクセスが非常に多いようです。
このバブルが落ち着いたらまた元に戻ってしまわないように頑張っていきたいと思います。
さて、本日ですが、このブログの主要テーマの一つである「映画レビュー」について、なかなか観るペースにレビューのペースが追い付かなかったりして、観たはいいけどレビューはあげていない作品が結構あります。
本日は極々簡単にそれらの作品を紹介していきたいと思います。
目次
億男
★★★☆☆
3億円を突然手にした男と、その3億円をもって消えた男。突然大金を手にしたら人はどうなるのか。「お金の見方」に焦点を当てた作品。
途中経過はどうあれ、映画として最後に言いたいことはなかなか深いと思いました。
デスノート Light up the NEW world
★★★☆☆
見た感じ駄作っぽい作品でも観てみたい衝動に駆られることってありますよね。有名タイトルの続編の宿命ですね。
デスノートの正式な続編として、藤原達也の夜神月、松山ケンイチのL、戸田恵梨香の弥海砂が登場していて驚きました。
天才として登場する主要メンバーがあまり天才に見えないのですが、シナリオは(古典的ですが)結構面白かったと思います。
塔の上のラプンツェル
★★★★☆
『シュガーラッシュ・オンライン』にて「この髪が異常に長いお姫様は誰?」と思って調べて行きついた作品。ディズニーはあまり観ないのですが、たまに観るとやっぱりいいですね。話もわかりやすいし、映像がとてもきれいでした。
ロスト・ボディ
★★★★★
消えた妻の死体。遺体安置所でいったい何があったのか。
かなり上質なサスペンスです。ラストの展開も非常に驚きでした。これは今度正式にレビューあげたいですね。
言の葉の庭
★★★★☆
『天気の子』、『君の名は。』で話題の新海誠作品。ほとんど観たことありますが、これだけは未視聴でした。
新海誠らしいむず痒い青春。雨の新宿御苑の映像の美しさ。すごく文学的な作品でもあります。
46分と短いので観ていない人は気軽に観るのにオススメです。
というわけでブログを始めて2ヶ月ということでちょっと振り返り&これからに向けて&簡易映画レビューと取り留めのない内容になってしまいました。
それでは次の記事で。
関連記事↓↓↓
【映画レビュー】名探偵コナン・紺青の拳(フィスト)
こんばんは。うみほたるです。
いよいよ本日DVD発売&レンタルが開始されました『名探偵コナン・紺青の拳』。早速レンタルしてきました。
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コナンの映画は第1作目の『時計仕掛けの摩天楼』を除き、たいてい映画館で観ていましたが、今回は子供が生まれる時期であったため断念。
なので、DVD解禁のタイミングで早速観てみようと決めていました。
本日の目次
あらすじ
シンガポールのリゾートホテル・マリーナベイ・サンズにて女性の刺殺体が発見され、現場からは怪盗キッドの予告状に使われるカードが発見される。
刺殺されたのは弁護士のシャリリン・タン。彼女はシンガポールで開催される空手トーナメントで京極真のスポンサーを務めていた。
空手トーナメントでは、大富豪ジョンハン・チェンにより海底より引き揚げられたブルーサファイア・紺青の拳(フィスト)がチャンピオンベルトに埋め込まれ、怪盗キッドもその宝石目当てにシンガポールへ。
京極真を応援する目的の園子、蘭、小五郎と工藤新一に化けた怪盗キッド、そしてキッドの手引きで密入国したコナンは紺青の拳をめぐる争いに巻き込まれていく。
レビュー
キャラ人気にあやかる傾向
まず最初に思うのは、最近のコナン映画はキャラ人気にあやかり過ぎでは!?ということですね。前作の『ゼロの執行人』なんかは非常に顕著で、本編で人気がある(らしい)安室透を中心とした映画でした。
今回は怪盗キッド(と京極真?)を目当てに観に行った女性が多かったという噂もちらほら。京極真は人気あるんでしょうか?
怪盗キッドを中心にした映画はこれまでも『世紀末の魔術師』、『天空の難破船』、『業火の向日葵』と今回で4作目。そういう意味では昔から怪盗キッドの人気にあやかった映画ではあったのかも。
次回の予告が最後に入っていましたが、次回作はどうやら「赤井秀一」に焦点を当てた映画になりそうっぽいですね。しばらくこの傾向は続くのかな?
コナンの映画にしてはおとなしめ?
これも近年のコナン映画の特徴かもしれませんが、昔ほど派手なシーンが多くないように思います。
僕が小さい頃のコナンの映画と言えば、終盤はとにかく爆弾でバーン!!ボーン!!ビルがドガーン!!でした。
まあ今作も最終的にはそうなるのですが、コナン映画も昔に比べるとちょっとおとなしくなったような気がしますね。気のせいかもしれませんが。
本編を知っていないとだんだんついていけないように
僕はコナンの映画は毎年観ているんですが、本編はもうずいぶん見ていません。同じような人は結構多いのではないかと。
コナンの映画は登場人物や設定が本編に準拠しているので、本編で登場した新キャラや本編で出てきた設定がそのまま映画に持ち込まれがちです。
例えば、第18作目『異次元の狙撃手』で登場した世良真純や先述の安室透なんかがそれに当たります。
今作は知らない登場人物こそいなかったものの、「蘭と新一が正式に交際している」、「怪盗キッドと京極真が過去に対決したことがある」というような設定は本編を知っていないと把握できない内容でした。ちょっとびっくりするだけで内容には影響がないので知らなくても視聴に支障はないですけどね。
肝心の内容
さて、肝心の内容ですが、いろいろなレビューを読むとアクションパートに関する批判(現実的でないなど)がちらほらありました。今作の目玉は京極真を中心とした格闘家たちや海賊、そして怪盗キッドとの対決シーンのアクションです。
これについては僕は特段気になりませんでした。京極真はバトル漫画のジョーカー的な存在なので、「負けるかもしれない・・・」、「ピンチでハラハラ・・・」みたいなのはほぼなかったですが、無双シーンも結構面白いです。
ミステリの部分ですが、こういっては何ですが、コナンの映画にしては頭をつかう内容でした(笑)(こういうこと言うと怒られそうですが)
コナンの映画は割と動機も単純で、そのほとんどが「復讐目的」のことが多いですが今作は犯人の狙いがかなり大きくて、しかもそれを邪魔しようとする第三者がいて、さらに怪盗キッドが加わって、と複数の思惑が複雑に絡み合ったシナリオで満足のいく出来だったと思います。
また、とある理由でコナンが怪盗キッドの味方にならずを得ず、キッドの盗みをコナンがサポートするような展開が見られるのも非常にレアで面白い点だと思います。
ということで、本日レンタル開始した『名探偵コナン・紺青の拳』のレビューをしてみました。
やっぱりGWの時期になればコナンの映画を楽しみにしている人も多いと思います。
来年の作品も楽しみですね。
それでは次の記事で。
【映画レビュー】ヒメアノ~ル
こんばんは。うみほたるです。
本日の映画レビューはこちら↓↓↓
『ヒメアノ~ル』です。
作品を観終わってから知ったのですが、古谷実さん原作の漫画がオリジナルだそうです。なるほど。という感じです。
本日の目次
あらすじ
清掃会社でアルバイトをする冴えない男・岡田は、職場の先輩・安藤が惚れたカフェ店員・ユカと近づくための手助けをさせられるが、逆にユカから告白されてしまう。
安藤に秘密のまま、交際を始めた二人。一方、ユカを付け狙う男・森田。彼はかつて岡田と高校の同級生だった。
森田、岡田と同級生であった元いじめられっ子の和草は、「ある秘密」を基に岡田からたびたび金銭を要求され、事情を知った和草の婚約者・久美子とともに、森田の殺害を試みるも、反撃にあい二人とも殺されてしまう。証拠隠滅のため、自宅であるアパートを全焼させる。
たがが外れた森田はその後も複数人を殺害。やがて矛先はユカと交際している岡田に向かう。
レビュー
いわゆる"サイコパス"である森田の行動を追った緊迫したシーンと岡田とユカを中心とした日常パートのギャップが激しい映画です。
物語は退屈な日常と将来への不安を感じる岡田の視点から始まるため、そこからの落差が非常に激しいです。個人的にはこういう日常の中に非日常を混ぜてくるタイプの作品は緊迫感と脱力感のバランスがよくて好きですね。
森田の行動は『いぬやしき』の獅子神を思い出させます。たぶんわかる人にはわかると思います。不快指数が非常に高いです。
グロテスクな描写はほとんどないのですが、血なまぐさい描写は多々あるので苦手な方は注意した方がいいかもしれません。
森田役は森田剛ということで、ちょっとギャグみたいな配役になっているのですが、森田剛はサイコパスが似合います(笑)
昔、『ランチの女王』というドラマで、主人公の元カレの暴力男を演じていましたが、それを思い出しました。
ただ、Wikiによれば、森田剛単独主演作品とのことですが、これには違和感があります。視聴者からは明らかに岡田視点で進む物語に見えるためです。岡田役の濱田岳もいい味出していました。
関連・類似作品
関連作品を挙げると少しネタバレになってしまいそうですが、いくつか本作と雰囲気が似てる作品を挙げてみました。
ヒミズ
本作と同じく古谷実原作。ただし、映画版は園子温監督の影響を多分に受けているのでそちらの印象の方が強いです。
隣人13号
これまた漫画原作。小栗旬と中村獅童が二重人格の青年の各人格を演じています。
殺し屋1
またまた漫画原作。元いじめられっ子の殺し屋「イチ」を描いたバイオレンスアクション映画。
暴力的な描写でR-18指定となった初の映画だそうです。結構閲覧注意の作品。
殺し屋1 特別プレミアム版<初回限定パッケージ> [DVD]
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それでは次の記事で。
【映画レビュー】チワワちゃん
こんばんは。うみほたるです。
本日の映画レビューの作品はこちら↓↓↓
『チワワちゃん』です。
「ん?犬の映画かな?」
それにしてはパリピ臭丸出しの男女がパッケージを飾っていますね。なんにせよ、目を引くタイトルだと思います。
本作はとあるYouTuberのレビュー動画を見て存在を知り、調べてみると結構評判がいいようなので視聴してみました。
なお、原作は漫画作品のようです。
本日の目次
あらすじ
東京湾でバラバラ死体が発見された。被害者は千脇良子(20)、看護学校生。
東京のクラブで青春を謳歌していた大学生・ミキは、最初それが自分が知る"チワワちゃん"であることに気づかなかった。
かつて"チワワちゃん"とともに青春の日々を過ごした男女。彼らは"チワワちゃん"の本当の名前もどこの誰なのかも何も知らなかったことに気づく。
ミキは"チワワちゃん"の事件を特集する雑誌記者のインタビューを受けながら、当時の仲間たちに"チワワちゃん"について聞いて回ることで、彼女の正体に少しずつ近づいていく。
レビュー
結論から言うと、"チワワちゃん"の正体も"なぜ"彼女が"誰に"殺されたのかもわからないまま物語は終わってしまいます。
ミキ視点で様々な人から話を聞いていくうちに、"チワワちゃん"が「男をとっかえひっかえしていたこと」、「同棲していた男の家を飛び出し、知り合いの家を転々と居候していたこと」、「乱交に興じていたこと」、「借金をしていたらしいこと」、「AVに出演していたこと」などがわかってきます。
劇中で"チワワちゃん"についてはよく思う人も悪く思う人もいますが、総じて彼女は人を惹きつける魅力を持っており、趣味で始めたインスタの写真からモデルとして成功を収めたり、常に輪の中心にいるタイプの女性であることがわかります。
主人公ミキは「趣味で始めたモデルもどきの活動でチワワちゃんに一瞬で追い抜かれた」、「好きだった男をチワワちゃんに取られた」といった点からあまり好意的に思っていないように見えますが、それでも彼女の魅力を認めているあたり、"チワワちゃん"という存在がわかると思います。
映画を観終わったとき、本作のよさがよくわからなかった僕は、色々ブログやレビューを見てみましたが、その中でしっくりした表現が「インスタの映像化」というものでした。
結果だけ見ると、この作品はパリピグループの派手な生活を追っただけで、何もわからないまま終わった、という感じですが、この作品のメッセージを無理やりにでも解釈してみます。
"チワワちゃん"は現代の魔物であるSNSの化身であると考えることができます。それはインスタでもTwitterでもFacebookでもいいし、このはてなブログでもいいわけですが、お互いSNSを通じてしか存在を知らない仲間というのが現代では誰しもいて当たり前になっているのではないでしょうか。
そうなったとき、「本名も知らない」、「どんな人なのか、その媒体を通してしか知らない」という人物が誕生します。これって正に"チワワちゃん"じゃないですか?
『チワワちゃん』はそんな現代社会を風刺し、警鐘を鳴らす作品…なのかもしれない。
例えば、今年6月に元農水省事務次官が息子を殺傷する事件がありました。
その息子はDQ10というオンラインゲームで有名なプレイヤーだったようで、SNSを通じた知り合いから様々な情報がリークされて、被害者ながら人格否定のような非難を浴びていました。
これについても、実際の彼を知る人からは反論したいことは山ほどあるのかもしれないですが、その媒体を通じてしか知らない場合はそう評価される以外にないわけです。
引きこもり長男を10か所以上、刺す 元事務次官「川崎のような事件を起こしたら…」と供述 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
こういうことが現実に起こりうることが、『チワワちゃん』という作品が世に伝えたいメッセージ…なのかもしれない。
とまあ、それっぽいことを言ってみましたが、刺さる人には刺さる…のかなぁ?僕にはあまり刺さりませんでした。
関連・類似作品
桐島、部活やめるってよ
本人不在の中、彼(桐島)の為人を知る人物たちの視点で物語が進むところが、『チワワちゃん』と共通のものを感じる作品。
ジョゼと虎と魚たち
なぜか僕が本作を観たときに真っ先に思い浮かべた映画。自堕落な若者を描いているからかもしれない。
ガール・ネクスト・ドア
欧米の作品で、パリピを描いたものはたくさんあるはずなんですが、思い浮かびませんでした。というわけでこの作品。冴えない学生が元ポルノ女優の隣人とイチャコラする話です。ラストはハートフル。
それでは次の記事で。