【雑記】史上最強(?)の台風15号
こんばんは。うみほたるです。
台風15号が関東地方に大打撃を与えていきました。中でもすごいのが羽田空港ではないでしょうか。
僕はというと、幸いなことに育児休暇をいただいておりますので、家で大人しくしていました。8日から9日にかけての夜中にはかなり大きな風の音と雨の音がしていましたが、なんとか被害らしい被害もなく、無事に過ごすことができました。
とはいえ、本来僕はインフラにかかわる仕事をしていますので、こういった台風などの自然災害についてはかなり気になるところ。実際仕事も台風のときは、現場の点検強化だとか対策だとかで忙しくなったりします。
また、以前は災害関係専門の部署にいたことがあり、そのときに台風についてはかなり勉強したので、普通の人よりは少しだけ台風に詳しいと思います。
本日はそんな僕が以前に身に着けた信ぴょう性に乏しい知識とインターネットの力を借りて、台風について解説していきたいと思います。
そもそも台風って何?
みなさんは台風の定義を正確に言えますか?
熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
(気象庁HPよりhttps://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-1.html)
台風の定義って風速でしかないんです。これってちょっと意外じゃないですか?
気圧とは?
次はちょっと基本的すぎる質問で「バカにするな」と思うかもしれませんが、気圧ってなんでしょうか?
気圧とは読んで字のごとく、大気の圧力のことです。1気圧が1013hPaというのは学んだ記憶がある人も多いと思います。
先ほど出てきた低気圧というのは周りの空気と比較して"相対的に"気圧が低いものをいいます。「この数値以下は低気圧」とかはないということですね。反対を高気圧と呼びます。
台風の発生と成長の原理とは?
では、台風が発生し、成長する原理について、ごく簡単に解説していきます。なお、現在の通説(と思っている)ですが、学術的に完全に認められている理論ではないようです。
台風のたまごである熱帯低気圧はだいたい日本より南の赤道付近あたりで発生します。暖かい海では海面で蒸発する水分量が多く、上昇気流が発生し始めます。上昇気流に乗った海面上に水蒸気の塊ができはじめ、水蒸気は周辺の(相対的に)冷たい空気に触れ、凝結する(これが雲になります)ことにより熱を放出します。熱により温まった空気がさらに上昇気流を発生させることにより、スパイラル的に大きくなっていく、これが大きく渦を巻いたものが台風です。
台風は同じ原理で成長を繰り返します。つまり、台風は洋上を進めば進むほど大きくなるのが一般的で、逆に陸上に来たら水蒸気の供給が途絶えて急速に弱まっていきます。中国などの大陸方向に進んだ台風がすぐに消えてしまうのはそのためです。
なんで日本列島をなぞるように進むの?
ちょっと話がそれますが、「なんで北上してきた台風はそのまま韓国とか中国の方にいかないの?」「なぜ日本ばかり・・・」と思ったことはありませんか?
この理由もある程度わかっています。理由は大きく3つあり、コリオリ力、偏西風、大陸性高気圧にあります。
コリオリ力(こりおりりょく)またはコリオリの力
コリオリ力とは、回転座標系上で発生する見かけの力のことです。といってもピンとこないと思うのですが、地球は地軸に対して東向きに自転しているため、まっすぐ北に向く力(正確には低緯度⇒高緯度方向)はやや東向きに慣性力がかかると思えばOKです。
偏西風
日本の周りでは偏西風と呼ばれる西から東に向かって恒常的に吹く風があり、それがかなり色々な気象現象に影響しています。偏西風自体がコリオリ力によるところがあるので、実質上記のコリオリ力と同じと考えても差し支えないと思います。
大陸性高気圧
日本の西側および北側にはユーラシア大陸という巨大な大陸があります。
洋上よりも陸上の方が気圧が高くなりやすいのは先ほどの項目で理解していただいたとして、大陸には高気圧が常駐している状態になります。
気圧というのは大気の圧力ですから、基本的には高気圧側から低気圧側に圧力がかかります。そのため、日本付近に到達した低気圧の塊である台風は大陸性高気圧に押される形で日本に沿って進むわけですね。
史上最強とは?
さて、本日の本題です。"史上最強"っていう報道を見かけましたが、一体何が史上最強なのでしょうか。
まず、台風の強さと大きさについての定義は、以下のとおりになっています。
階級 | 最大風速 |
---|---|
強い | 33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満 |
非常に強い | 44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満 |
猛烈な | 54m/s(105ノット)以上 |
階級 | 風速15m/s以上の半径 |
---|---|
大型(大きい) | 500km以上~800km未満 |
超大型(非常に大きい) | 800km以上 |
※いずれも気象庁HPhttps://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-3.htmlより
これを組み合わせて「大型で強い台風」というような聞き覚えの表現ができあがるのです。
さて、では今回の台風はどうだったのでしょうか。まず最大風速ですが、一番強かったときで45m/s~50m/sくらいだったようで、「非常に強い」に該当します。次に大きさですが、今回の台風はコンパクトという表現もあり、ピーク時でも暴風域は半径100kmより下だったようです。
あれ?一体何が史上最強?とこれだけ見ると思ってしまいませんか?
台風15号が記録的な強さで襲来、秋台風一過の猛烈残暑(饒村曜) - 個人 - Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースに今回の台風を総括したような記事が載っていました。
"中心気圧960ヘクトパスカル、最大風速が毎秒40メートル、最大瞬間風速60メートル"
この記事によれば、"関東に上陸した台風のうち、昭和26年(1951年)以降で中心気圧が一番低かったのが、平成14年(2002年)に神奈川県川崎市付近に上陸した台風21号と、昭和33年(1958年)に神奈川県三浦半島に上陸した台風21号の中心気圧が960ヘクトパスカル"とのことです。
つまり、今回の台風は「関東に上陸した台風のうち」「中心気圧で見た場合」に最強タイであったといえるということみたいですね。若干言葉のマジック的なところがありますね。報道なんていつでもそんなもんかもしれませんね。
ちなみに日本全体の統計は気象庁HPに載っていますが、もっともっとすごい台風がたくさんあります↓↓↓
ただし、今回の台風の特徴として、最大瞬間風速が強く、60m/s程度を観測しており、甚大な被害をもたらしたことは間違いありません。
台風について調べるには
台風について、現在の位置や大きさ、今後の進路などを知りたいとき、どんなところで調べたらよいのでしょうか。
今はいろいろなサイトがありますが、僕のオススメはYahoo!天気、米軍予測、気象庁HP、その他の順です。
Yahoo!天気
これの優れている点は進路予測をYahoo!地図に落とし込めるという点です。日本地図だけ出されてもピンとこない…という人にはオススメです。
米軍予測
最近では少し有名になってきましたが、米軍が台風等の動きを予測し、ネット上で公開してくれています↓↓↓
https://www.metoc.navy.mil/jtwc/jtwc.html
これのポイントは予測がかなり早いということです。正確性は似たり寄ったりですが、いち早く情報をつかみたい専門の人(僕がいたインフラ関係とか)なんかはこちらを参考にしていたりします。
気象庁HP
Yahoo!天気と公開される情報は大差ないです。複数の台風が同時に動いているときは、それぞれの細かい動きなどはこちらの方が詳しいです。
その他
よほどの理由がない限りは上記3つで足りる印象です。あくまでも私見ですが。
進路予測についての注意点
これも知っている人は知っていると思いますが、進路予測で出てくる円(予測円という)は、"その円の中に台風の中心が入る可能性が70%"という意味で予測されています。
よって、ルート自体は結構ずれることもそこそこあります。意味を理解して進路予測をチェックしましょう。
さて、少し駆け足でしたが、台風について解説してみました。
参考になれば幸いです。間違いがあったらご指摘いただければ修正します。
それでは次の記事で。