【映画レビュー】チワワちゃん
こんばんは。うみほたるです。
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『チワワちゃん』です。
「ん?犬の映画かな?」
それにしてはパリピ臭丸出しの男女がパッケージを飾っていますね。なんにせよ、目を引くタイトルだと思います。
本作はとあるYouTuberのレビュー動画を見て存在を知り、調べてみると結構評判がいいようなので視聴してみました。
なお、原作は漫画作品のようです。
本日の目次
あらすじ
東京湾でバラバラ死体が発見された。被害者は千脇良子(20)、看護学校生。
東京のクラブで青春を謳歌していた大学生・ミキは、最初それが自分が知る"チワワちゃん"であることに気づかなかった。
かつて"チワワちゃん"とともに青春の日々を過ごした男女。彼らは"チワワちゃん"の本当の名前もどこの誰なのかも何も知らなかったことに気づく。
ミキは"チワワちゃん"の事件を特集する雑誌記者のインタビューを受けながら、当時の仲間たちに"チワワちゃん"について聞いて回ることで、彼女の正体に少しずつ近づいていく。
レビュー
結論から言うと、"チワワちゃん"の正体も"なぜ"彼女が"誰に"殺されたのかもわからないまま物語は終わってしまいます。
ミキ視点で様々な人から話を聞いていくうちに、"チワワちゃん"が「男をとっかえひっかえしていたこと」、「同棲していた男の家を飛び出し、知り合いの家を転々と居候していたこと」、「乱交に興じていたこと」、「借金をしていたらしいこと」、「AVに出演していたこと」などがわかってきます。
劇中で"チワワちゃん"についてはよく思う人も悪く思う人もいますが、総じて彼女は人を惹きつける魅力を持っており、趣味で始めたインスタの写真からモデルとして成功を収めたり、常に輪の中心にいるタイプの女性であることがわかります。
主人公ミキは「趣味で始めたモデルもどきの活動でチワワちゃんに一瞬で追い抜かれた」、「好きだった男をチワワちゃんに取られた」といった点からあまり好意的に思っていないように見えますが、それでも彼女の魅力を認めているあたり、"チワワちゃん"という存在がわかると思います。
映画を観終わったとき、本作のよさがよくわからなかった僕は、色々ブログやレビューを見てみましたが、その中でしっくりした表現が「インスタの映像化」というものでした。
結果だけ見ると、この作品はパリピグループの派手な生活を追っただけで、何もわからないまま終わった、という感じですが、この作品のメッセージを無理やりにでも解釈してみます。
"チワワちゃん"は現代の魔物であるSNSの化身であると考えることができます。それはインスタでもTwitterでもFacebookでもいいし、このはてなブログでもいいわけですが、お互いSNSを通じてしか存在を知らない仲間というのが現代では誰しもいて当たり前になっているのではないでしょうか。
そうなったとき、「本名も知らない」、「どんな人なのか、その媒体を通してしか知らない」という人物が誕生します。これって正に"チワワちゃん"じゃないですか?
『チワワちゃん』はそんな現代社会を風刺し、警鐘を鳴らす作品…なのかもしれない。
例えば、今年6月に元農水省事務次官が息子を殺傷する事件がありました。
その息子はDQ10というオンラインゲームで有名なプレイヤーだったようで、SNSを通じた知り合いから様々な情報がリークされて、被害者ながら人格否定のような非難を浴びていました。
これについても、実際の彼を知る人からは反論したいことは山ほどあるのかもしれないですが、その媒体を通じてしか知らない場合はそう評価される以外にないわけです。
引きこもり長男を10か所以上、刺す 元事務次官「川崎のような事件を起こしたら…」と供述 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
こういうことが現実に起こりうることが、『チワワちゃん』という作品が世に伝えたいメッセージ…なのかもしれない。
とまあ、それっぽいことを言ってみましたが、刺さる人には刺さる…のかなぁ?僕にはあまり刺さりませんでした。
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それでは次の記事で。